避難所になるマイホーム
東日本大震災は私たちにとって大変不幸な事でしたが、新潟でもたて続けに2回も、大震災が起きました。小千谷・川口・長岡・柏崎・・・・とても甚大な被害でした。わたしたちも、震災地でお手伝いをたくさんさせていただいて、耐震住宅の必要性を肌で感じ取りました。
上越地域の断層は、この2度の震災の断層とまったく違うといわれています。
つまり、上越地域であっても大震災が起こる可能性は高いのです。
「地震だ!家に帰ろう」
そう思える安心な我が家であるために、Wood Villageの家は全て耐震等級3の基準をクリアした構造になっています。耐震対策の家をつくることは、もはや住宅事業者の使命と考えています。
耐震等級3にこだわる3つの理由
耐震等級3とは、消防署や警察署など防災拠点となる施設の耐震基準です。従来、一般家庭の耐震等級は1以上(震度6~7でも倒壊しない強さ)と定められていますが、当社ではそれでは不十分だと考え、耐震等級1の1.5倍の強さがある「耐震等級3」を標準仕様としています。
理由1 繰り返し起こる揺れに備える
私たちが経験した東日本大震災でも2016年に発生した熊本地震でも、震度6~7の揺れが繰り返し起こりました。現在の建築基準法が定められたとき、揺れの大きさはシミュレーションされていますが、近年の地震のように数日間に何度も何度も繰り返す揺れというのは想定されていません。
また、耐震等級1の”倒壊しない強さ”というのは、あくまで屋外に避難できるだけの耐性を指し、「震災後も安心して暮らせる強さ」ではありません。先の震災では、倒壊しなくても構造的なダメージや半壊、雨漏りなどで立ち入ることができなくなった住居がたくさんあります。
命を守ることはもちろん大前提ですが、WoodVillageが目指すのは、家族の財産と安心な暮らしも守ることができる住まいです。そのためには防災拠点レベルの耐震等級3が必要だと考えています。
理由2 できるかぎり自宅避難ができるように
災害が起こるたびにメディアで流れる被災地の過酷な生活。学校の体育館で何週間も何か月も生活する大変さは想像に難しくありません。
ただでさえプライバシーもない落ち着かない環境で、もし真冬だったら、酷暑だったら、乳児を連れていたら、お年寄りがいたら、感染症が流行していたら、ペットを連れていたら、、不安要素はたくさんあります。
もちろん助け合いや物資の面で避難所は有効に活用する必要がありますが、我が家で眠れるに越したことはありません。
Wood Villageの家は耐震性能だけではく、断熱性能が非常に高いという点でも災害時には大きなポイントです。万が一真冬に災害が起き停電してしまったとしても、Wood Villageの断熱性能であれば数日間は保温された状態を保つことができます。
理由3 修復には時間とお金が掛かる
災害後は数多くの住宅が破損した状態で修繕工事の順番待ちをすることになります。東日本大震災のときには私たちも県内でお手伝いをさせていただきましたが、宮城や福島では工事の順番が数ヵ月待ちという方もいたようです。
順番待ちの間は家に帰れず避難所生活を続ける方も多数いましたし、数ヵ月も雨ざらしになってしまったせいで柱や梁が痛んでしまった家もありました。せっかく地震の揺れに耐えたのに、雨漏り一つで家がダメになってしまうのです。
なお、半壊の場合全壊に比べ被災者支援金がぐっと少なくなります。半壊で済んだのに結局住むことができず、しかし支援金は少ない、という悲惨なパターンもありました。
家族の財産と生活を守るには、無被害であることが絶対的な課題です。そのためには、耐震等級3は最低限のラインだと考えています。
確実な耐震性能を確保するために
全棟構造計算実施
木造住宅の構造計算には主に3種類あります。「仕様規定による確認」「性能表示計算による確認」「許容応力度計算」のいずれかで計算を行います。
「仕様規定による確認」は簡易的な確認方法で、8項目のチェックリストと、壁の量の合計などを計算し、A3図面一枚ほどにまとめられます。「性能表示計算による確認」は「仕様規定による確認」にいくつかの項目を加えた計算方法で、ハウスメーカーなどでよく採用されています。
Wood Villageが実施している「許容応力度計算」は、3種類の中で最も厳密に計算する方法です。構造計算ソフトを用いて柱や梁、接合部の全てにおいて安全性を確認するので、計算書は1物件あたり数百枚になります。
もちろん時間も手間もかかりますが、構造の安定性を確実に把握することは、私たちの家づくりの最優先事項の一つだと考えています。
ベタ基礎工法
基礎はもっとも強いベタ基礎工法を採用。ベタ基礎工法とは、基礎自体を一体の箱にして、 剛性を高めた工法です。一番大切な部分ですから一番強い工法を採用しました。
構造
構造材にはすべて乾燥材を採用。さらに、大きな応力が作用する箇所には集成材を用いています。接合部には、専用の接合金物によって結合し、通し柱の断面欠損を防ぎ柱の強度を確保します。
耐震ハイブリッド羽子板
東京スカイツリーにも採用されている、一般的なダブルナットの約8倍以上の耐震性がある羽子板です。特殊なスリットによりネジ山がバネの効果を果たし、地震や振動に抜群の強さを発揮します。
ハイパーボード
筋かいを使用した建物よりも約2倍の壁倍率に。地震や台風に余裕を持って備えられます。また、1つ1つの壁が強いので窓を広くとるなど間取りプランの自由度が増します。
ちょこっと雑学
上越では無視できない”雪の重さ”
構造計算では、建物の重さに対し外的な力(地震や防風など)が加わったときに、どれぐらい建物に負荷が掛かるかを計算します。
一般的に建物の重さは、自重(柱や壁・屋根など建物そのもの重さ)と積載荷重(家具家電など)を足して算出しますが、上越の場合はそこに「雪の重さ」も足します。
雪の重さは、水分の量にもよりますがだいたい1㎥あたり300kgとして計算します。力士2人分ぐらいの重さですね。仮に80㎡の屋根に2mの積雪があると、屋根の上に力士がなんと300人以上ものっている計算に!
もちろん、Wood Villageの家はそれにも耐えられるように構造設計を行っています。