コンクリートを捨てちゃうの?➂【完結編】
皆さん こんにちは
熱戦が続いたパラリンピックも終わり
今日は閉会式ですね
今までパラリンピックは あまりテレビ
放映されなかったので 今回はたくさん
楽しめました
アスリートの皆さん ボランティアの
皆さん 大変お疲れさまでした!
では今日も 家づくりを考え始めた方に
家を造って『ほしい暮らし』が手に入る
ヒントをお伝えしていきます
今日は
捨ててしまう
コンクリート
の最終話です
長かった(笑)
昨日 一昨日のブログは 下記を
クリックしてくださいね!
捨てるコンクリートと言いながら
実は捨てていないコンクリート
昨日は 捨てコンの役割について
お話しさせて頂きました
地味な役割だけど
縁の下の力持ち
的な活躍をしている捨てコン
3回目の今日は 捨てコンがもっと
大切な活躍をしている・・・という
お話しです
その前に 皆さんの中で 以下のよう
な疑問を持たれた方はいませんか?
コンクリートの中で
なぜ鉄である 鉄筋
はさびないのか?
今日はこの部分のお勉強ではない
ので 答えを先にお伝えすると・・
コンクリートはpH12以上という高いアル
カリ状態に保たれ 鉄筋に不導体被膜
という薄い酸化化合物の皮膜を形成し
保護して さびない様になっています
要は 強アルカリ状態で 鉄筋が
さびることを防いでいるわけです
ところが コンクリート内部の
強アルカリ状態が
『中性化』
の状態になると 内部が酸性化して
鉄筋がさびて膨張して コンクリートを
破壊します
つまり 強度がなくなります
中性化はどうして
発生するのか?
原因は2つあります
➀空気中の二酸化炭素とコンクリート
内部の水酸化カルシウムが反応して
中性化していく
2つめの理由が 捨てコンの活躍する
理由になります
➁水分が多い部位では 二酸化炭素が
水と結合して炭酸水となって より早く
中性化が進みやすい
とくに 基礎の中で耐圧盤とよばれる
『底 部』
の部分は 水分量が多い土に常に
接しやすい場所です
下のマンガ図を見てみてください
※今から40年くらい前の家の基礎です
断面図になります
上のマンガ図のように 土に接する部分
は水分が多いため 二酸化炭素が水と
結合して炭酸水なります
これがコンクリート中に浸透することで
ほかの部分より早く中性化が進みます
コンクリートが中性化する速度は
0.5~1.0ミリ/年
と言われています
土に接している部分は中性化の速度が
早い可能性があるので
10年で1センチ
中性化する
上のマンガ図の『かぶり』という寸法が
3センチだとすると
30年で中性化が鉄筋に到達して
鉄筋がさびてしまう
という恐ろしい結末になります
※では 現代住宅の基礎断面図を見て
みましょう
先ほどのマンガ図と比較して
いかがですか?
土と 耐圧盤のコンクリートの間に・・
➀砂利層 100ミリ
↓
➁防湿フィルム層
↓
➂捨てコン 70ミリ
↓
➃耐圧盤の『かぶり』 70ミリ
各部の役割は・・・・・
➀砂利の部分の排水効果で できるだけ
水分を少ない状態を維持します
➁さらに 防湿フィルムで水分の上昇を
シャットアウトしようとします
➂仮に水分が上がってきても
捨てコン=70ミリ
の厚さ
捨てコン全部が中性化するには
70年の年月がかかります
➃捨てコンが中性化してしまっても
耐圧盤コンクリートの
『かぶり』=70ミリ
あるので この部分が中性化するまで
さらに70年の年月がかかります
最悪の状況を考えても 基礎底盤部の
鉄筋が中性化によってさびるまで
140年近くかかる
ことになります
たしかに 300年住宅を目指すので
あれば足りませんが 一般的な住宅の
寿命としては 十分じゃないでしょうか?
いかがですか?
捨てコン
と呼ばれるあつかいの低いコンクリート
が70年も中性化を防ぐ働きもしてくれる
結構頑張ってくれますよね!
ちょっと今日の話はマニアックすぎた
かもしれませんね
本来 そこまで気にしなくても
いい箇所かもしれませんので
あまり神経質にはならないで下さいね
このブログの最後に 水が中性化に
及ぼす作用の論文を添付しておきます
(東急建設 芝浦工業大学 論文)
それでは また明日お会いしましょう!