コンクリートを捨てちゃうの?➂【完結編】
皆さん こんにちは
熱戦が続いたパラリンピックも終わり
今日は閉会式ですね
今までパラリンピックは あまりテレビ
放映されなかったので 今回はたくさん
楽しめました
アスリートの皆さん ボランティアの
皆さん 大変お疲れさまでした!
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210825_19_bob-yokoo_e3_56_p_o0366040014991781964.png)
では今日も 家づくりを考え始めた方に
家を造って『ほしい暮らし』が手に入る
ヒントをお伝えしていきます
今日は
捨ててしまう
コンクリート
の最終話です
長かった(笑)
昨日 一昨日のブログは 下記を
クリックしてくださいね!
捨てるコンクリートと言いながら
実は捨てていないコンクリート
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_19_bob-yokoo_9d_ba_p_o1280096014996798282.png)
昨日は 捨てコンの役割について
お話しさせて頂きました
地味な役割だけど
縁の下の力持ち
的な活躍をしている捨てコン
3回目の今日は 捨てコンがもっと
大切な活躍をしている・・・という
お話しです
その前に 皆さんの中で 以下のよう
な疑問を持たれた方はいませんか?
コンクリートの中で
なぜ鉄である 鉄筋
はさびないのか?
今日はこの部分のお勉強ではない
ので 答えを先にお伝えすると・・
コンクリートはpH12以上という高いアル
カリ状態に保たれ 鉄筋に不導体被膜
という薄い酸化化合物の皮膜を形成し
保護して さびない様になっています
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_19_bob-yokoo_66_49_p_o0176030014996798232.png)
要は 強アルカリ状態で 鉄筋が
さびることを防いでいるわけです
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210812_10_bob-yokoo_bf_58_p_o0334040014985709073.png)
ところが コンクリート内部の
強アルカリ状態が
『中性化』
の状態になると 内部が酸性化して
鉄筋がさびて膨張して コンクリートを
破壊します
つまり 強度がなくなります
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_19_bob-yokoo_f3_a5_j_o0900060014996798111.jpg)
中性化はどうして
発生するのか?
原因は2つあります
➀空気中の二酸化炭素とコンクリート
内部の水酸化カルシウムが反応して
中性化していく
2つめの理由が 捨てコンの活躍する
理由になります
➁水分が多い部位では 二酸化炭素が
水と結合して炭酸水となって より早く
中性化が進みやすい
とくに 基礎の中で耐圧盤とよばれる
『底 部』
の部分は 水分量が多い土に常に
接しやすい場所です
下のマンガ図を見てみてください
※今から40年くらい前の家の基礎です
断面図になります
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_19_bob-yokoo_03_83_j_o1544128014996798344.jpg)
上のマンガ図のように 土に接する部分
は水分が多いため 二酸化炭素が水と
結合して炭酸水なります
これがコンクリート中に浸透することで
ほかの部分より早く中性化が進みます
コンクリートが中性化する速度は
0.5~1.0ミリ/年
と言われています
土に接している部分は中性化の速度が
早い可能性があるので
10年で1センチ
中性化する
上のマンガ図の『かぶり』という寸法が
3センチだとすると
30年で中性化が鉄筋に到達して
鉄筋がさびてしまう
という恐ろしい結末になります
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_19_bob-yokoo_61_ea_j_o1280085114996798193.jpg)
※では 現代住宅の基礎断面図を見て
みましょう
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_19_bob-yokoo_71_4d_j_o1280134114996798382.jpg)
先ほどのマンガ図と比較して
いかがですか?
土と 耐圧盤のコンクリートの間に・・
➀砂利層 100ミリ
↓
➁防湿フィルム層
↓
➂捨てコン 70ミリ
↓
➃耐圧盤の『かぶり』 70ミリ
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210903_21_bob-yokoo_87_ba_j_o1280096014995924274.jpg)
各部の役割は・・・・・
➀砂利の部分の排水効果で できるだけ
水分を少ない状態を維持します
➁さらに 防湿フィルムで水分の上昇を
シャットアウトしようとします
➂仮に水分が上がってきても
捨てコン=70ミリ
の厚さ
捨てコン全部が中性化するには
70年の年月がかかります
➃捨てコンが中性化してしまっても
耐圧盤コンクリートの
『かぶり』=70ミリ
あるので この部分が中性化するまで
さらに70年の年月がかかります
最悪の状況を考えても 基礎底盤部の
鉄筋が中性化によってさびるまで
140年近くかかる
ことになります
たしかに 300年住宅を目指すので
あれば足りませんが 一般的な住宅の
寿命としては 十分じゃないでしょうか?
いかがですか?
捨てコン
と呼ばれるあつかいの低いコンクリート
が70年も中性化を防ぐ働きもしてくれる
結構頑張ってくれますよね!
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210730_17_bob-yokoo_fd_4b_j_o1920128014979771767.jpg)
ちょっと今日の話はマニアックすぎた
かもしれませんね
本来 そこまで気にしなくても
いい箇所かもしれませんので
あまり神経質にはならないで下さいね
このブログの最後に 水が中性化に
及ぼす作用の論文を添付しておきます
(東急建設 芝浦工業大学 論文)
それでは また明日お会いしましょう!
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_20_bob-yokoo_f3_46_j_o1280175314996815225.jpg)
![](https://yoko-kensetsu.com/wp-content/uploads/2023/08/20210905_20_bob-yokoo_02_a3_j_o1880128014996815315.jpg)